▼「みなし寄付金」制度を活用しよう(2)

~モデルケースでみる みなし寄付金のメリット

 改めまして、「みなし寄付金制度」とは、

事業収益のある認定NPO法人に対して課される

【法人税】に対する軽減措置です。

認定NPO法人が法人税法上の「収益事業」を
行っている場合、
 ・「収益事業」に属する資産

のうちから、
 ・「非収益事業」のために支出した金額

を、
「収益事業」から「非収益事業」への寄付金とみなして
【損金算入】を認める
ものです。

「みなし寄付金」制度は、仮認定NPO法人には認められていません。

 認定NPO法人の【損金算入限度額】

||

「所得の50%」 or 「200万円」 のいずれか高い方 

 

※詳しくは次ページで開設してまいります!

※ 認定取得の時期によって本制度の概要が異なります。

平成24年3月以前:NPO法 改正前に「国税庁より認定を受けた」認定NPO法人 
   → 損金算入限度額は 所得金額の20% まで
平成24年4月以後:改正NPO法の施行後「各所轄庁」に認定を受けた 認定NPO法人
   →  損金算入限度額は「所得の50%」か「200万円」のいずれか高い方(現行法)

なぜ「みなし寄付金」っていうの?

この制度、もともとは
「どこか別の団体・活動に寄付したぶん、損金算入できる」
制度を前身に、
「自分たちの事業に対して 資金配分 してもよい」
という制度になったものだからです。

「収益事業が、非収益事業に、【寄付】していると【みなす】」、

   = 「みなし寄付金」、というわけです。

収益事業のプラス分を「自分たちの非収益事業」にあてるもよし、

他団体や個人に「寄付金として支出」するもよし

モデルケースとして、収益事業・非収益事業をもつ認定NPO法人が
 ・収益事業による利益が250万円
 ・運営する 非収益事業 の赤字が100万円
の認定NPO法人が、
 ・利益のうち100万円を、非収益事業の赤字分に充てる
 ・別途、活動する団体に 100万円を寄付
したときで考えてみましょう。

このとき、認定NPO法人であれば「みなし寄付金」制度が適用され、250万円の利益のうち、200万円は法人税の課税対象でなくなります。

おおよそ20%の法人税がかかるとすると、
NPO法人の場合
 250万円 の 約20% = 法人税は50万円 程度
認定NPO法人の場合は、
  50万円 の 約20% = 法人税は10万円 程度
税額に大きな差がでてきます。

このとき、上記のケースでは
 ・団体内の事業に100万円  ・外に100万円
を寄付していますが、もちろん団体内に200万円を充てることもできます

 

ポイント1▼
反対に、外部の団体や個人に200万円を寄付したとしても、200万円分の損金算入をすることができます。
つまり、自団体に非収益の事業を持っていないとしても、寄付することで制度を活用することはできるのです。
制度のしくみとして、これを覚えておきましょう!

ポイント2▼
例の場合、250万円の利益すべてを非収益事業の補填に充てたとしても、損金算入の限度額は
「所得の50%」or「200万円」のいずれか高い方 
ですので、残りの50万円には法人税が課税されます。
…つまり、もし利益が2000万円なら、
その50%=1000万円までが対象ですね!!

ポイント3▼
外部に寄付するときは、
・営利を目的とした事業を行うもの

・政治、宗教活動を行うもの

・特定の公職の候補者
に行ってはいけません!

そもそもの認定NPO法人の認定基準に反してしまいます。

稼ぐのは誰のため? ~地域経済と事業型NPO

収益事業でいただいたお金を、非収益事業に回すことができる。


この「みなし寄付金」制度は、間接的には、地域のみなさまからお預かりしたお金を、地域社会のために還元しているともいえます。
自分たちの利益拡大のためではなく、公益のための活動をしている認定NPO法人ならではのことです。


非営利団体が展開する事業だからこそ、地域で出来ること、担うべき役割があります。

制度がそれを後押ししてくれている、とも言えます。


胸を張って、収益事業に取り組んでいきましょう。


より多くのひとに、自分たちの事業を届けていきましょう。
そして、よりよい循環を、地域にひろげていきましょう。