おわりに 新寄付税制を社会に広める意義

新寄付税制の施行による、寄付者の皆さまにとっての一番のメリットは

 「税金が安くなった。おかげでお財布が助かります!」

という事かもしれませんが、

 

寄付者の皆様にも、寄付を募る認定NPO法人の皆様にも、

もうひとつ、この新寄付税制がもつ “大きな意義” についてを

皆さまの心のほんの片隅に、留めておいてほしいのです。

 

寄付を税金で補填してくれるということは、

間接的に「税金の使い道を自分で決められる」ということ

寄付者のみなさまは、

 「自分が応援したい!」「ここに頑張って欲しい!」という認定NPO法人を、

寄付というかたちで支援をします。

 

あたらしい制度では、「控除」というかたちで

最大50%近くの税の優遇を寄付者に対して与えています。

 

例えば下の図では、認定NPO法人に対して5万円の寄付をしていますので、

(地方税10%が適用されたとして)最大2万4千円が 

「国や地方自治体の税金から寄付者に」 戻ってきます。

このとき、直接的には、国・自治体のお金を受け取っているのは「寄付者」ですが

寄付者は事前にお金を 「応援したい事業」に寄付として投入しています。

つまり、

「寄付者が5万円の寄付をしたことによって、

 間接的ではあるが、自分の税金のうち24,000円を

 応援したい事業のために捻出させることができた」

ことになるのです。

 

税金を支払っている私たちが、その税金を有用に使ってもらいたい、と

願うのはあたりまえの事です。

 

ですが、税金の使い道は「基本的にはお役人が決めるもの」と思われがちです。

「いったい何に使われてるのだろう‥」であるとか、

「無駄遣いされてはいないか‥」などと心配するばかりで、

自分から「こういう事に税金を使ってくれ!」と声を上げる人は

現状では少数です。

 

 あたらしい寄付税制による、認定NPO法人への寄付に対する税制優遇は、

その経路が間接的ではありますが、

加えて現状では寄付額の最大50%弱という規模ではありますが、

    「自分が応援したい事業・団体のために税金を使わせる」

 ことができる具体的な手段なのです。

 

 

「新しい公共」という言葉も叫ばれているように、これからの日本は、

行政だけでなく、いかに市民が自ら能動的に、

地域社会や構造的問題に対峙し、かかわり、それを変えてゆけるかという

“市民の時代”です。

 

未来の日本につながる確かな一歩が、この制度の向こう側にはあります。

寄付文化をもっともっと広め、認定NPO法人をひとつでも多く増やし、

どんどんこの寄付税制が活用されることにとって、

より多くの税金が、「みんなが望むこと」に使われるようになっていってほしい。

 

そのために、私たちはこの新寄付税制の周知・普及活動と、

認定NPO法人創出のためのアクションを、これからも精一杯続けてまいります。

さあ、みなさんも、我々と一緒に 「認定とろう!」