市民が主体的に社会の問題解決に取り組む市民社会を実現するために。市民の社会参画を支える専門スタッフとしての「ボランティアコーディネーター」を専門職として確立させるための活動をしています。
お話 : 副代表理事 早瀬 昇 氏
理事・事務局長 後藤 麻理子 氏
取材日: 2011/2/7
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事業費収入割合が大きいNPOにとって旧来の「相対値基準」は高すぎる壁だった… 新制度の可決を待たずして3000円×100人の寄付集めスタート! |
― 認定NPO法人になろう!というお考えはいつ頃から?
具体的に準備を始めたのは一昨年くらいからです。
当時はまだ絶対値基準は制度としては通っていませんでしたが、「3000円×100人で!」の導入に向けてのアクションが動いていることを知っていましたので、通ると信じて、7月の成立前から準備を初めていました。
― 相対値基準での認定取得は検討なさっていたのでしょうか。
以前から認定NPO法人そのものに興味はあったのですが、試算してみるとこれは難しいなと。過去に試算した際には、寄付は全体収入の1割以下でしたし、「対価性のない会費」を含めて算出しても、到底ラインには及びません。
うちは事業収入の割合が大きいNPOなので。全国のボランティアコーディネーターの人材育成や講師派遣などを積極的に行なっていますし、行政の委託・補助金などもあまりもらっていませんでしたので、相対値基準で計算すると、分母となる事業財源はどうしても大きくなってしまう。
ですから、案の段階でも、3000×100人の話を知った時には、これしか無いな、と思いましたね。
― 認定をとることのメリットをどこに感じていますか?
「寄付収入を増やせるきっかけ」になるかもしれない、と思ったことです。先ほどもお話ししたように、寄付による財源は比較的少ないですので。
みなし寄付金による所得税対策もありますが、現状では事業で大きく収益を上げているものではないので…。お恥ずかしい話ですが、みなし寄付の恩恵はあまり視野に入れていません。
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絶対値基準「3000円以上☓100人」で2年分の基準をクリア 既に会費をいただいている「会員」の方々がそのまま寄付者に |
― 絶対値基準「3000円×100人」の進捗具合はいかがですか?
あっ、もう集まってしまいましたよ。PSTはクリアしたと考えています。
― 素晴らしい!
我々は決算期が1月~12月なのですが、2010年度の寄付、2011年度の寄付で、賛助会員の会費も合算してのものですが、年平均100人はクリアしています。つい先頃、12月末締の決算も無事終わりましたので、あとは書類をつくるだけです。
4月1日の施行を待たずに、国税庁のほうに申請を出してしまおうと考えています。
― 基準値クリアを目指すにあたり、特別な「作戦」「仕掛け」などはありましたか?
それまでの寄付者は、ほとんどが役員、理事さんだったのです。しかし絶対値のPST要件にはこれらを含めることができないのですよね。別途に寄付者を集める必要がありました。
そこで既存の会員さんや運営委員さん(任意で企画・運営をサポートしていただける方々)に対して「認定とるために!」というアピール…いわばキャンペーンの展開をしました。また、同じようなタイミングで事務所移転や震災支援などもあり、それぞれで「ご寄付をお願いしています!」というプロモーションがうまく伝わりましたね。
11月に最初のキャンペーンをうち、12月一杯までの一ヶ月弱で100人を集めることに成功しました。初年度については1ヶ月程度でクリアできてしまったわけです。
― キャンペーン対象である会員様は何名くらいいらっしゃるのでしょうか
概ねですが、正会員は360人、準会員等を含めれば460人程度いらっしゃいます。ちなみに運営委員は28人…理事を兼ねている方も含めてです。この皆様への発信で、1ヶ月足らずで100人という数字を達成したことになります。
実際にご寄付いただいたのは、多くが会員さんご本人、またお知り合いやご家族の方からもいただきました。うちは全国に広く会員さんがいるのですが、今回のキャンペーンに触れ、「日頃はチカラになれることが少ないから、これを機会に是非にお力になりたくて」と寄付をしていただいた方などもいらっしゃいました。
2年目、2011年は無理に大声を挙げずに、じっくり呼びかけでいこう、くらいでやっていたのですが…震災がおこりまして、そのための寄付呼びかけも結果としては活きたと思います。それらと賛助会員も含めての100人達成です。
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PST以外の要件にハードルは? |
― 「その他の要件」について特別なハードルになったことはありますか?
国税庁の手引きを参照しながら、順々にチェックしました。
役員の要件や法令の要件など…事業収入に対する消費税についても、従来からきちんと意識しておりましたので問題なく。
その他もひとつひとつ確認しまして、問題なし、と判断しました。おそらく認定は大丈夫でしょう!何か重大な落ち度があれば別ですが、「差し戻して書き込める範囲」の事柄であれば都度対応していきたいと思います。
― これから認定を目指す方々の参考までに、各要件をチェックする上でここは気をつけよう、というポイントはありますか?
比較的気を遣うのは、共益的活動(会員のみに対するサービス/特定のものや特定の地域に便益が及ぶ活動など)が50%以下、の部分かなと感じます。
我々の事業においては問題なくクリアできていると判断していますが、共益性の概念が曖昧なところがあるので、足元を救われないように気をつけたいですね。
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認定NPO法人を目指す道程は「支援者の皆様のため」でもあり、 「団体の活動のため」でもあった |
― これから認定NPO法人を目指そう!という方々にメッセージをお願いします。
早瀬 :
聞いた話で恐縮なのですが、印象的でしたのでお話します。…まだ認定が厳しい時代に認定をとった団体の方からいただいた談話です。
とにかく支援者に感謝をされたと。「ありがとうございます、大変よい制度です、認定とるの大変だったでしょう?」と声をかけていただいたというのですね。
認定NPO法人になることによる、いちばんの受益者は誰かといえば、やはり「支援者さま方」なのですよ。 条件が有利になった! 寄付をもっと集めてやるぞ! という我々サイドの姿勢ももちろん大事なんですが、何よりも、寄付してくださる皆さまにとって、少しでも良い環境を我々が用意してさしあげる。それが何かしらの 「お返し」 「感謝の気持ち」 になっている。
そういう姿勢を、私たちは忘れたくないな。というのが、私個人としての認定制度に対する意見です。
後藤 :
事務担当者からみれば認定取得のためには手間の部分ばかりが目に入りがちですが…。しかし、それを超えてでも認定を取りたいという、戦略性、のようなものの存在が大事だと思っています。
JVCAではこれまで、「寄付をしてください」という活動を積極的にしたことがありませんでした。しかし今回、会員さんを中心にではありますが、寄付を募るアクションを実践してみて感じたのは、これって【団体の活動を社会に伝え広げる】ことなのだな、という実感でした。
ただ「寄付をください!」と訴えるだけでなく、“何のための寄付か”を必ず明示せねばなりませんので、寄付集めのキャンペーンは同時に我々の活動を広げる、イベント参加者やコーディネーターさんを増やす事にもつながっている。私達が推進するボランティアコーディネーターの専門職としての地位向上は、市民が機能としてそれを求めるかどうか、にかかっています。その為には私たちの活動が知られるチャンス、その意義が皆様に認知されるようはたらきかける機会は少しでもあったほうがいい。
私達に限らず、NPOがその活動を広く社会にアピールすることはほんとうに大事なことです。寄付集め=多くの方々に活動情報をお届けすること。そこに直結していると考えています。
申請にあたってわたしも苦労していますが(笑)皆さんも、皆さんの活動がより社会に広がるように、一緒にこの苦労を乗り越えてみませんか、とこの場を借りて呼びかけさせて下さい。
― ありがとうございました!




