地域で応援してくださる方を増やし、「宮崎をホスピスに」

認定NPO法人ホームホスピス宮崎

都道府県 :宮崎県

活動分野 :地域医療・地域福祉

財政規模 :約1億1000万円 (2014年度)

認定/仮認定取得 :2015年3月

団体ホームページ :http://www.npo-hhm.jp/

インタビューご対応:理事長 市原 美穂さん、理事 黒岩 雄二さん 

ホームホスピスを地域の風景に

癌で認知症の患者さんの居場所がなかったため、こうした方々の居場所をつくりたいという思いから、宮崎県内で在宅ホスピスを作ろうという勉強会から活動を始め、2004年に空いている民家を借りて「かあさんの家」を開設しました。現在では、かあさんの家の他にも、居宅介護支援事業や訪問看護とヘルパーステーション事業などを行っています。

 

かあさんの家を始めようとした頃、「高齢者を受け入れるホームホスピス」と聞くとなかなか貸してくれませんでした。やっと借りられる物件が見つかり、最初に行ったことは周辺の住民への説明会でした。私たちのような活動は、周囲の方の理解が何よりも大切です。

 

ホームホスピスもそうですが、社会的なニーズに公共が追いついていないとき、必要なことを自ら実践していくことがNPOであると考えています。しかし、「お金が無い」というのもNPOの特徴であり大きなネックです。認定を取得して、寄付を集め、活動が発展していくことで私たちの地域、社会が豊かになると思っています。

 

認定取得は2013年頃から検討していました。当時、遺贈のご寄付を検討しているというご相談があり、これから寄付を受け入れていくためにも、控除があれば寄付が集まりやすくなるのではないかと考え、認定を取得することにしました。ちょうど同じ頃に、日本ファンドレイジング協会などで、ファンドレイジングについて勉強していたことも、認定取得のきっかけとなりました。

地域で寄付の循環を

寄付金控除の講座やチャリティコンサートなども積極的に行っています。まだまだ寄付につながらないこともありますが、こうした活動を続けていくことで、私たちのことやNPO法人のことを地域に知ってもらうことが重要です。まだ、社会福祉法人とNPO法人の区別がわからない方も多くいらっしゃいますので、まずはNPO法人について知ってもらわないと、寄付は集まらないと感じています。寄付者というよりも、まず応援してくださる方を増やしていくことが大切です。

また、マンスリーサポーター制度を創設し、毎月一定額を、引き落としでご寄付いただく仕組みも始めています。現状では、マンスリーサポーターは少ないですが、毎月引き落とされることで、自分が関わっているという感覚を持ってもらえるので、継続的な支援者になっていただくのに効果があると言えます。

 

個人以外では、医療法人からのご寄付もありますが、こちらから働きかけないとなかなかいただけません。こうしたご寄付の呼びかけも、内部での課題としてあります。

 

また、ボランティアでご参加されていた方がお亡くなりになり、ご遺族からご寄付を頂いたこともありました。相続財産の寄付の優遇税制は、相続された一部を世の中へと出していくための制度です。私たちも活用していきたいと思っています。